先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。
たまたまだと思うが、最近立て続けに「『またね、富士丸。』に救われました」と3人くらいから言われた。イベント会場で話しかけられたのだが、新たな犬を迎えた人、まだその気になれず寂しさの中にいる人、それぞれだった。いずれも何かで調べて本を見つけて読んで私を知ったという。
つらい記憶の中で書いた思い出

お礼を言われても「誰かを救おうと思って書いたわけではないけど、良かったです」と微妙な返事をするしかなかったが、もう16年前に書いた本である。

しかも、書きたくて書いたわけではなく、師と仰ぐライターの大先輩の野々山義高さんが勝手に出版社と決めてきて、当初は「そんなの書けませんよ」と断ったのに「いいから書け」と強制されて書いた本だ(普段の野々山さんは優しいのに)。